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設立趣意書

今、日本社会が直面している課題は山のようにたくさんあります。毎年起こる洪水や山火事などで実感する地球温暖化、減り続ける出生数と年金受給額の減少に見る少子高齢化と人口減少、子どもの貧困が深刻な格差の拡大、経済成長やデジタル化をはじめとするさまざまな国際比較に見る日本の存在感の低下など、これらは過去の延長上の課題ではなく、時代の転換点だからこそ新しい解決方法が求められているものばかりです。

これからは、地球環境を大切にしながら、今あるものを維持し、人々が幸せに生きていくための新しい時代を切り拓く方法が求められます。そこには、新しい学際的で総合的な科学の力が必要です。科学は常に新しい課題の解決に挑戦してきましたが、必ずしも社会の課題に応えることができるとは限りません。社会の課題を真剣に受け止める当事者としての科学者が取り組む必要があります。シニアな科学者には多くの経験と多くの知識がありますが、これらはこれからの社会を自ら変えて行動を起こす力にはなりません。変化を起こすのは、過去の多くの経験に捕らわれない、そして未来に責任を持てる若い科学者です。

さまざまな経験をしてきたシニアな科学者は自ら未来を切り拓くことはできませんが、若い科学者を支えることができます。若い科学者が勇敢に挑戦してくじけそうになった時、未来に不安を持ち立ち止まらざるを得ない時、一緒に解決策を考え、勇気を授けることはできるでしょう。そして、若手とシニアの境界は単一ではなく、それぞれの科学者にとって自分より若い人は若手、自分より年上はシニアです。私たちは、30代から70代まで、連続的な年齢構成でそれぞれの科学者が自分と異なる世代の科学者と語り合い、一緒になって新たな未来への道筋を社会の人々に示し、社会の人々の声に耳を傾け、対話し、人々の希望を理解しながら未来の課題を科学的に解いていきます。そして、科学者になり得る若い人々に科学の魅力と未来社会に果たすことができる意義を伝えていきます。そのために、私たちは多くの人が安心して自由に、そして科学的に議論する場を提供していきます。

これまで私たちは、個人的に若い科学者の思いを受け止め、相談にのり、そしてそれが若い科学者の助けとなり、未来に向けた新たな道筋につながることを実感してきました。また、中高生をはじめとする社会のさまざまな人との対話を通して、このような対話が多くの人の知識を広げ、同時に自分たちが学ぶ機会になると感じてきました。しかし、より多くの若い科学者の助けをしたい、未来に向けてもっと力強く科学の力で社会に貢献したいという思いから、またその結果、若い科学者が未来を拓く力になることを多くの社会の人々に届け、前進するためには、組織として活動する必要があり、NPO法人を創設いたします。この法人の活動が未来に向けて社会的な責任を果たし、国内外の社会的認知を高めることに力を注ぎます。


 

     2022年5月23日

 

法人の名称 特定非営利活動法人ウッドデッキ

 

設立代表者 渡辺 美代子

咲き誇る蓮
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